今更ながら夏の話

気温がぐっと下がってもはや冬なんだけどまだまだ夏のお話をします(いつものスタイル)


天守物語」
久しぶりの当日券チャレンジ。毎公演必ず当日券用意してあるのありがたい…しかも前売りでここ出さなかったんだってちょっとびっくりする席だったので余計にありがとうの気持ち。
原作を読まないままの観劇だったので、当日券待ちしながらウィキであらすじを確認。あーー読んだことないのになんか見たことある…なんだっけ……あれだ、アニメ「怪」天守物語をベースにしたお話があったな~と思いだした。でも見たのも相当前でかなり薄ぼんやりとした記憶しかない…図書之助の嫁さんいけ好かないやつだったな(言い方)くらいしか覚えてない。大丈夫??付いていける??という不安。開演までにできるだけ名前覚えておこうと思ってパンフ読み込むんだけど、社中あるある・スチルと舞台衣装が違う

いや、普通に考えたらスチルと舞台衣装でわざわざ別パターン用意するのとんでもなくすごいことだし、何なら楽しみにもしてるんだけど!社中公演見る楽しみの半分くらいは衣装なんだけど!(言い過ぎだけど言い過ぎじゃない)何だけど事前準備としては使えないんだよなーーー贅沢な悩み。パンフに舞台衣装はこれ!っていうのも載せておいてほしい。前方席なら顔での判別できるけど、後方だとやっぱり衣装に頼るところ多くなるからさ…あとやっぱり物理的に手元に残るのうれしいし。今回はラッキーなことに前方席だったので顔で判別できるだろうなと思って前回の反省を生かして(某PANDORA)とりあえず役名のみ叩き込みました。いや~でも今回は漢字だったから入りやすくてよかった。いやでもスチル用衣装でもかなりヒントになるし、あーこの人何かあるのかな~とアタリを付けておく。終わってみたら半分くらい当たってたからやっぱり衣装の情報量ってすごいよな~~

富姫が美しい…!怪とわかっていても図書之助が惹かれてしまうのが直感的に理解できる。やはり圧倒的美は正義……美に平伏すおたく。かと思えば亀姫と遊ぶときとかのニコニコ笑顔は子どもみたいで年齢がよくわからない。そうだよね怪だもんね、いやフェアリーだもんね(中の人ネタ)

図書之助
運が悪い・かわいそうと思って何なら聖人くらいなイメージだったんだけど、死宝丸が出てくることによって別にただの人だったんだなーーー(良い意味で)選べる状況の中で自分の意思優先させてたりするし、でも弟を思う気持ちもあるし、ちゃんと人間だったんだな…

死宝丸
ここ最近見るたびに死にそう、もしくは死ぬ役の気がする。でも絶品だもんな…使うならやらせたくなる気持ちはわかる(わかるとは)「今にも死にそう」ということが伝わってくるのと同時に台詞はきちんと聞こえてくる。でもよく考えたら今にも死にそうな人なんて実際には見たことがないのになんでリアルだって感じるんだろう…
ところでなんで死宝丸って名前なんでしょう?名前に「死」って入れるものなのか…?(縁起悪くない??)「しほうまる」って音なら「至宝丸」とかのが名前として良さそうな気がするんだけどそこになんか意味ってあるのかな…

固定セットで自由に動き回れるスペースが狭かったのによくあんな動けるな!?ってくらい動いてたよね。けっこういろいろなところにぶつかりそうだな~と思って無駄にヒヤヒヤしたわたしが(なぜ)
亀姫・朱の盤坊・舌長姥
えりさんの「ちょっと気取った女」感が好きなんだよな。あのツンとした声とお顔 is 最高 あの姿勢はまじできつそう(みたまんま)姫から老婆までふり幅がすごいな~~
亀姫の眷属はなんか絶妙にダサいかんじがすごい…っていうか富姫の眷属がおしゃれなんだよな
薄・桔梗・女郎花・萩
開幕前のニコ生で「堀池さんがすごいことになってる」って聞いたので楽しみにしてたんだけどほんとにすごいことになってたw 3人官女みたいなわちゃわちゃ感がかわいかった。
播磨守・琢郎
怖い 以上終了!ってかんじで本当に怖かった…怪たちよりよっぽど不気味だし何するかわからないし怖い…やっぱり何だかんだ言って一番怖いのは人間だよなーーって思いました。

桃六
結局何者だったんだ…?神なの?とすら思ったけど別にそういうわけではないよね…不思議な存在だった。でも毛量はもう少し減らしてもいいと思うんだよな…表情が全然見えない。

ここ最近見た社中作品に何となく全部似たテイストを感じるというか「あーまたこの感じか」という…これがハマればいいんだけどわたしには食傷気味に感じてしまったというか…(主人公に隠されてる設定があってそれが中盤くらいにかけて観客に「もしかして…?」って伝わるような作りになってるんだけど、最終的にはそれを全部ひっくり返す隠し設定がある。あと当初の敵は実は味方っていうのも毎回同じな気がする)全部見てるわけでもないし、しかも何が違ったのかも上手く言えないけどとにかくこれまで見たものとは違う空気を感じた。
ここまで書いて、じゃあ実際どの作品に似た空気感じたんだろう?と振り返ってみたら「パラノイア~」「ピカレスク~」と「トゥーランドット」で全部東映コラボのやつだったからまぁそういうことかもしれない。う~~ん、何というか最終的にポジティブの明るい粉振りかけられるかんじというか、「あ、頑張らねばいけない」と勝手に受け取ってるだけなんだけど、それがなんかキツイ時がある。というかあれなんだよ、公演期間が仕事の繁忙期とだいたいかぶってるの、繁忙期おそろ。それが今回は「頑張らなければいけない」じゃなくて「みんな頑張ってるよね…(しみじみ)」となったから違う空気を感じたとなったのかも。あとわたしは繁忙期じゃなかった(そこ??)

とも思ったけどもしかしたらいつもより小さい箱、かつ前方席で見たからかもしれない。やっぱり舞台だと「どの席から見るか」で受け取れる情報量が段違いだなと感じる(ここで値段の差が付いてれば納得するんだけどまぁ難しいところだよね~)

 

そして観劇三昧に「天守物語」の2011年版入ってた~ 気になるサービスなんだけどちゃんと見られる時間のありそうな月で…と思ってなかなか登録に進まないやつ。

v2.kan-geki.com




チェ・ゲバラ

宝塚ってもっとこう夢夢した、ふわふわ・キラキラ~みたいなイメージだったんだけど、こういうザ・男の友情!みたいな作品もあるんだね。そうではない作品もいくつかあったけど、やっぱりイメージするのは夢と希望みたいな作品。だからチェ・ゲバラやるという発表見たときはびっくりした。

夢夢しいとかふわふわ感は全然ないし、むしろ真反対な作品だったけど、なぜかキラキラしてた。ジェンヌさんたちの発光オーラのせいなのか、革命家たちの生命のきらめきなのかわからないけどキラキラしてた。
こういう作品こそもっと見たいな…いやたぶん最近の作品だって友情メインのものはあるはず知らないだけで。でもたぶんそれはもうちょっと設定が若くてポップなかんじな気がする(偏見)青臭い青春男の友情物語みたいのじゃなくて渋い友情物語が見たいんですよ…!たぶん少数派だから上演されない…悲しい…あと娘役の出番が減ったらそれはそれで文句言うやつだから面倒くさいことこの上ない。


轟悠さまゲバラかっこよすぎワロタ あの髭はまじで生えてるでしょぜったい…アレイダのこと突っ込まれると途端にしどろもどろになるの可愛すぎる。

風間フィデルが貫禄ありすぎる。実際に見るまでは、轟ゲバラと並んだらさすがに学年差ありすぎなのでは?と思ったけど仕上げてきててすげーーって思った(逆も然り)まだ研6なんだよね…将来が楽しみすぎるでしょ…ゲバラフィデルのお互いに何も言わなくてもわかり合っている感が最高でした。こういうのもっと見たい!!!

天紫アレイダは声や立ち姿勢から強い女って雰囲気が伝わってきてよかったな~ザ・ヒロイン!ってポジションじゃなかったのがちょっと残念…ああいう強い女がヒロインの作品も見てみたいな~~

そして何よりもはーちゃんが可愛いかった!!!アレイダがザ・ヒロインって描かれ方じゃなかった分ヒロインみが増してる気がする。ルイスに誰!?ってなって幕間で急いでパンフをチェック。歌しっかりしてるしスタイルがいい。カテコで2人で挨拶した後レイナを抱き上げてる姿に、この物語のⅰfルート見られた気がして感動した。何なら列に並んだ後も何だか2人でいちゃいちゃしてて楽しそうでフィナーレがない分めちゃくちゃよかった。

華蘭パトホはぜったい死んだと思ってたよね(そこかよ)訓練に1人だけ取り残されていたし、戦力というよりもムードメーカーというか潤滑油的なかわいいポジションにいたのに、いざという時に1人だけ残って味方を助けるのかっこよすぎるでしょ…

光月バティスタ&朝霧ランスキーの悪役2人組の何とも言えない色気…

 

入りが物語っぽさ満点だったのに、終わり方がドキュメンタリーっぽいラストなの不思議。でも流れで見てると変には思わなかったんだよな~ちょっと思い返すとまた見たくなってくる。こっちはオリジナルだから円盤出るんだよね…って思ったけどちんたらしてる間にもう出るわ、11/5発売だって。OTTも何とかならないかな~ならないな~~





エリザベート
やっぱり日本のエリザベート見るなら一度はこの方のシシィが見たいじゃないですか~と思って花シシィの回を何とか取った。

f:id:ilkwhtilk:20191103215818j:plain


驚異の40代…とはいえさすがに冒頭の子ども時代なんかは違和感あったりするかも…(レディ・ベスは若干違和感あったからさ…)とか思ってたんだけどエリザベートには全然なかった。ただの少女。それも圧倒的美少女。フランツがヘレネにダンスを申し込むと思って「やったー!」ってニコニコ笑顔で小さく拍手してるのめっちゃ可愛い。無邪気。そりゃマザコンなのにお母さんに逆らってもシシィ選んじゃうわ。

毎回言ってるんだけど、芳雄さんの歌ってどこから声が出てるのかわからないといつも思うんですよね。なんだろう、身体の中からと自分の周りの空気も響かせてて…って声はみんなそうだわってかんじなんだけど、それが他の人より数段すごいバージョンみたいな(伝われ)音源がどこにあるかわからないかんじがするんだよね~~そこが人外…!ってかんじがしてよかったな~~やっぱり歌がうめ

黒天使…って言わないんだよねトートダンサー。8人で1つの生命体のような、脳がないのに意思があるみたいな、そんなかんじがしてよかった。よく見ると全員別々の格好をしてるんだけど全然個を認識できない。けっこうオペラ向けてたんだけどびっくりするくらい個人を判別できなかった。

東宝版は(といってもこれが初見なのでわからんけど)「ルキーニ妄想劇場」として作られてる…というか何せ始まりが「よーい、アクション!」スタイルだったもんな。
だからこそ、なのか「キッチュ」がルキーニワンマンショーで、でもわたし的にはそれがちょっと物足りなかった…というか客席の期待感・熱気がすごくて、でも舞台にはルキーニしかいなくて、何となくバランスがしっくりこないかんじ。世界の美女がワラワラ出てくる宝塚バージョンが好きだな~あれは客席の盛り上がりと舞台とのバランスがちょうどいい気がする。


宝塚版は「可哀想なシシィ、自由を求めて闘ったシシィ」みたいなかんじがするけど、東宝版「って思ったでしょ!?実際義務も育児も放棄するし、それでいて浪費はするしとんでもないやつだぜ~?」って要所要所挟んでくるじゃん、それでウィーンではシシィって今も人気なんだよね…?そんな中でこういうテイストで上演するのってみんなどういうふうに受け止めてるんだろうか…?という疑問。別にそれはそれ、みたいなかんじなのか??見てみたい。

 

エリザベートの中で好きなシーンランキングの上位(ほぼ1位)が精神病院なんですけど、歌詞の細かい部分までは覚えてないんだけど「こいつは狂ってるのに普通のふりをしている」って言われて、ようやくそういうことか~~~!ってようやく腑に落ちましたよ、ええ。半分くらいカットされちゃってるじゃん!そりゃ汲み取りきれない、というかこのシーンの意味が変わってくるよな。「肉体的には拘束されていないけれど、魂は囚われている」ってヴィンデッシュとの対比だけど、なんかこれだと、狂ってると言っているやつらの方が狂ってる!古いしきたりとか、人間の自由な精神に反することをやるなんてそっちの方が狂ってる!シシィ可哀想どうこうより、何かこう「常識を疑え!」みたいなそういうメッセージ的なものの方が強く感じる…いやでも正反対の2人が一瞬交錯するみたいな美しいシーンとして好きなんですけどね…全然違う印象を受けたなーという話。

ミルクも好きなシーン、というか歌なんだけど人数は少ないけど男声が入ると音域が広がって厚みがでるなぁ、圧がすごかった。数で押してくる圧力 VS 音圧で押してくる圧力 曲が終わった後、ルキーニがそのまま宮殿に行ってしれっとミルクを納品していて、とても馬鹿にしてる感あってよかった。

あと宝塚版にはないシーンとしてギリシャの別荘があって、ここで「パパみたいに~リプライズ~」は~~~~そうなんだ、そうくるんだ~~「パパみたいに”なりたかった”」は絶望感がすごい。シシィとマックスの関係性ってけっこう重要だよなと思って、ちゃぴシシィと輝月マックスが最高に好きだったからこの2人でリプライズめっちゃ見たかったな~~~冒頭の「パパみたいに」で泣いてたくらいだから見たらボロ泣きしそうw

「愛と死の輪舞」って宝塚版だけの曲かと思っていたら今回あってびっくりした。宝塚版がウィーン版に逆輸入されていって、それを基にまた日本版のものが変わって…というふうに続いて言ってるんだな。未完の作品ってかんじで面白いな~と思いました。だから「今回はどんなふうになるんだろう?」ってリピーターが炸裂するんですね。