ONCE UPON A TIME IN AMERICAを見てきた話

めっっっずらしくチケットがご用意されたので見に行ってきました。

f:id:ilkwhtilk:20200222163530j:plain

 ワンスーーー! 生で見るのは無理かな~~と諦めていたので喜びもひとしお

 

・構成がすごい
よく3時間でまとまったな、が最初の感想。と思ったけど実際には2時間10分程しか使えないんですって。そっか休憩含めて3時間だもんね。

演出家 小池修一郎が語る | 雪組公演 『ONCE UPON A TIME IN AMERICA(ワンス アポン ア タイム イン アメリカ)』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

いやでも映画は4時間あるんだよ?アマゾンプライムで事前に映画を見て予習したのです、4時間。こだまでも東京から大阪に着けるわ(びみょーな例え)さすがに一気に見るのは無理で2回に分けた。

映画見終わってまず思ったことといえば、これどうやって宝塚でやるの???ムリじゃない???ってこれはみんな思うよね…思うよね…すみれコードぶっちぎりアウトなシーンはもちろん、4時間もある作品をどうやって宝塚尺に収めるのかが一番気になっていたポイント。見に行くまで、あのシーンはやるのか/やらないのか?等々どんなふうになるのかをいろいろと考えるのが楽しかった。
一度ではよくわからなくて、見た後にあれはどういうことだったんだろう?と解釈の余地がある作品だけど、そこをばっさりとコレでいくよ!としてるからわかりやすいのかな。この場面ってAという解釈とBという解釈があるわよね、それともCもある?どうなんだろう?という余地を残さず、はい!ここはAでーーす!!!この作品ではAでいきまーーす!!!って潔い。2時間でわかるワンスとしてまとめられてた。かといって全然違う話だったね…とはならなかったからすごい。某海11とは大違いじゃん。あれは別作品と思えばおもしろかったけど。

 

・全部持ってくジミー
映画を見て、全部マックスの仕組んだことかなーと解釈してたから意外だったな。
映画のジミーが出てくる意味があまりよく分からなくて…お話し的になくても通じるような?まぁでもヌードルスが人生で起きた事を懐古してるから入ってきた時代ネタなのかな~と流してた。だから配役見て凪様の役か?役不足すぎない???と思ってたけどあの役なら全然役不足ではなかったね。怖かったよ…
むしろこの役が大きい分、マックスの扱いがしょぼくなってる気がして残念…切れ者感があんまりないよね…単に解釈の違いなんだけど。これは黒幕ジミー説だけど、わたしはマックス説だと思ってたからそっちかーーっていう。マックスはヌードルスと同等、むしろ出し抜くくらいであってほしかったけどそのかんじがあまりない…宝塚システム的に無理かしょうがないか…エクステンデッド版を見たらジミーが黒幕ってちゃんとわかるシーンもあるのかしら…いやしかしちょっと見てみたいで出せる金額じゃないんだよな~~中古で1.5万くらい。一度見てみたいで出せる金額じゃないよな~~アマプラにエクステンデッド版入らないかなー

 

ヌードルス
1幕ラストの重さ…ていうか小池修一郎演出なのに全員出てこない~~!ってびっくりした(そっちかよ)苦悩する役が似合いすぎる。当たり前っちゃ当たり前だけど、全年代の演じ分けがきちんとされてて時間の経過がわかる。から余計に壮年期が切ない。
細かいけど良いな~って思ったのが、サナトリウムでキャロルに話しかけるシーンハバナで踊っただろ?」(正しいセリフはうろ覚え)と言いながら腰を落とすんだけどそこがね~~いいのよ。めっちゃ年齢を感じさせる言い方・座り方でいいのよ。「…ーハバナで」みたいな(伝わらね~~~)

・デボラ
デ、デボラが動いてる~~~!って謎の感動があるくらい、映画のデボラってしゃべらないし表情も変わらないし、何を考えてるかわからなくて不思議な存在じゃないですか。あまりにも変わらなさ過ぎて、だんだんこの人本当に存在してたのかな?と混乱してくるくらいには(混乱しすぎ)それがめっちゃしゃべるし、自分の感情出すし、デボラってちゃんと血の通った人間だったんだな。芯のある人とは思っていたんだけど…ってそこに一番びっくりした。映画と違ってちゃんと年を取っていくので、イマジナリー女性じゃなくてデボラも必死にあの時代を生き抜いた一人の人間なんだなってわかるところがよかった。

 

・マックス
何をおいてもとりあえず異次元のスタイル!!!そしてまたその話かよってかんじだけどヌードルスと並び立つ、お互いに出し抜きあうようなかんじが見たかったな~~~出会いのシーンからしてそのルートは消えてしまったんだけども…映画だとお互いに抜きつ抜かれつして「こいつは他の奴と違うな?」と感じて、仲間になるというよりは手を組むといった雰囲気。そういうの見たかったよ~~キャロルに当たるシーンとか、連邦銀行強盗しようと持ち掛けるところとかのキレてるシーンがよかった。やっぱマックスは「こいつヤバくね?」って狂気が見たかったからいいよね~~殴った後にキスするとか宝塚でしか許されないクソ男すぎて最高。

 

・ジミー
最も恐ろしい男ジミー わたしの見た映画版(たぶん完全版)だと本当に何でこの人出てきたんだろう?ってくらい話に絡まない(ように思えた)から配役発表されたときに、まじで…?役不足では???って思ったんだけど全然役不足ではなかったね。ジミーってなんで労働運動してるんだろう。ストのシーンでなぜかジミーだけ腕章つけてなくて、スト破りの人たちは後から着けてたってことはジミーやっぱり仲間意識はないのかな ~と思ったり。
演説シーンが一番恐ろしいな。あれは嘘を言ってるつもりないのかな…?でも言ってること1ミリも信じていないよね?観客として見てるから怖いなと思うけど、労働者の立場だったら信じちゃうよね。

 

・キャロル
ポスター&制作発表から勝ち確定していたキャロル。ビジュアルめちゃくちゃ映画に寄せてきたなーと思ったけど実際に動いてるところを見るとかっっわいいな!?!?
歌手としてセクシーに歌ってるところとか、マックスに依存しまくってるところとかかわいい。あとハバナの幸せいっぱいなかんじとかも。あんな幸せそうなのあの場面だけなのでは…?でもいいなーと思ったのはサナトリウムでのキャロルなんだよな。カラッと乾いた哀しさというか…キャロルの変わり具合で年月が経ってることが伝わってくる。

 

・ニック
オリジナルキャラだけど、洋画にはこういうイイ奴が出てくるよね~って思えたから違和感がなかった。唯一の救いというか、描かれてないけどニックはきっと音楽家としてずっと第一線で活躍し続けたんだろうな~という気がする。でもニックが出てきたことによってデボラまじでどうしてベイリー長官の愛人になった???解せぬ…となったからなんかそこはもうひとつ何か欲しかったような気がする。ニックとはそういったことを一切持ち込みたくなかったとしてもそうなるのかな?って今一つ納得しないな~~それか引退(したようなものbyファット・モー)したから疎遠になっていってしまったのかな。そのパターンだったらかなり悲しいな…

 

 

時間軸が整理されてかなりわかりやすくなっていて、映画もこう見ればいいのか~って次見たときに理解が進みそうだなと思う反面、解釈が固定されちゃうというか宝塚版に当てはめて見ちゃいそうだな。影響されすぎなだけなんだけど。

例のごとくちんたらと書いていたらいつの間にか東京公演も始まり(ここまではいつものこと)しかも感染症拡大予防のためとかいって公演中止になってしまった…そんなことあるんだ……???(困惑)当日券で1回くらい東京で見れないかな~と思ってたけどそれどころじゃない事態になってしまった。再開できるのいつになるんだろう…というか中止に根拠じゃないか基準?がないから再開するのはもっと難しくなる気がするな~~一刻も早く収まってほしいよ~~~~仕事にしてる人は本当に死活問題でしょ、そしてオタクは心が死ぬ。