アンナ・カレーニナを見てきた話

月組バウホール公演「アンナ・カレーニナ」見てきました。

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奇跡的に生で見ることができた…感・無・量!!!

メインの3人をはじめとして、とにかく舞台がずっと美しい…心が浄化されていく…美は正義……

美弥さん本当に色気がすごい
立ってるだけで色気。色気がすごすぎてもはや色気が立ってるといっても過言ではない(???) この絶妙な前髪がいい!整いすぎてない、かといって乱れているというわけではない。角度によって顔に影がかかるからよりいっそう憂いの表情が美しくなる…

あと何ていうか「絶対に君と一緒になりたいけど、でももし本当に嫌ならいいんだよ?」感が常に漂ってて…そのほんの少しの押しの弱さがあの色気に繋がってるのかな~~と思ったり。

 

海ちゃん、「美しく貞淑な妻」でしたよ…!こんなフレーズを完璧に見せられる人材がどれほどいるだろうか、いやいない(反語)
ってなりましたよ。(でもなぜかスチルはどこかがヘンなんだよな、どこと上手く言えないけど…)
裸足のアンナといっしょに笑顔で優雅に軽やかに歌い踊る姿が本っっ当に美しくて神々しくて涙が出てきた。ストーリー的には全然泣く場面ではなかったからびっくりした。でも最近そういうことよくある(情緒不安定かよ)

 

れいこさん(月城)のカレーニン、ほんとイケオジすぎて最高。お髭が渋くてかっこいいがすぎる。そして懐の深さ 漢だ…!競馬でヴィロンスキー見てはしゃぐアンナを見る目がとても良い。驚き、怒り、嫉妬、失望、いろんな感情が絶えずあらわれて台詞はないのに(この後歌うけど)感情がビシバシ伝わってくる。
「すべてを失ったときに、私しか守れる人はいない」(ニュアンス
愛だな~~~いや愛だなほんと。

 

そもそも「不倫」というものについて、全然共感ができなくて…いや、わかる~~って言うのもヤバいかw
「仕方なかったの」みたいな言い訳とか、何でそうなるのか理解ができないというか、物語に入り込めないからつまんねぇな~と思ってたけどさ、

あそこまで夫も愛人も美しかったら目移りしちゃうよね~~!(わかってないじゃん)

「ただ一つの愛 見つけられたなら 何もいらない すべて捨てよう」
ヴィロンスキーが繰り返し歌う曲。あれ?歌詞合ってる、、?(不安)もう、まずこの発想にすでについていけないからな…アンナと会う前から歌っていたから、元々そういう考えだったということなのよね。

 

貴族として社交界で生きる自分と、ただ心のままに生きる自分と。
アンナは自分の全人格が前者であると思っていたけど、実はそうではなかった。ヴィロンスキーは元々前者に対して疑問を抱いていた。カレーニンは前者であるべく後者の自分を消そうとした。社交界で生きることに適応している(ように見える)スティーバ・ドリィとコスチャキティとの対比が切ない。どちらが正しいとか上とかないけども…

 

「あの汽車はイタリアに行くのね」と言って汽車に飛び込む前に十字を切ったのは何でなんだろう…演出的効果だけ…?アンナはイタリアに行くつもりじゃなかったの…?っていうので解釈を見た人に委ねるってこと、なのか??(わからん)
あの台詞はどういうふうにも取れるなと思うけど、個人的には本当にイタリアに行くつもりだったんじゃないかなーという気がする。

フィナーレの男役群舞かっこよかった~~愛しの打楽器ティンパニーがかっこよくて、それと男役さんたちのキレのある踊りがハマってて良いシーンだった。別箱の公演だと娘役さんは出番ないんだね、トップいないからか。ということは娘役をはべらせられるのはトップの特権ということなのか…

デュエダンが今まで見たことあるものとかなり雰囲気が違ってて、なんだか新鮮でとても素敵だった。いや見始めたの最近だから、新鮮も何もってかんじだけど。
雰囲気って思ったけど、音楽がめずらしかっただけかな。あんなに休符の多い譜面でデュエダンしてるの初めてみた。だからこそちょっとした緊張感というか、一瞬も見逃してはいけない…!という気持ちで見てた。
今まで見たデュエダンて、音楽もあったかく包み込むかんじで、こちらも温かい目で見守るというか、(芝居がバッドエンドだと余計に)は~~~よかったね~~~(ニッコリ)って気持ちになるというか(笑)
両手を広げて待つ美弥さんと、そこに駆け寄っていく海ちゃんってこの世で最も美しい風景なのでは?(風景???)あの短い時間に今までの物語がギュッと詰まってて、でもデュエダンだからこそ最後は幸せにいっしょになれて…は~~~~尊い


千秋楽ライビュも見に行ったんだけど、やっぱりこの美のトリデンテがバウホールだけなんてもったいない!大劇場で見たかったよ~~~!という思いは変わらず…いやいつか見られるはず…!と考えながら帰った。

それにしてもやっぱ映画館の大スクリーンで見ると表情がはっきり見える。というか、オペラは使ってたけどあんまり見えてなかったんだなぁという。ほぼほぼ最後列だったからな~

キスシーンが最っっっ高に美しすぎる(いまさら)いや観劇した時にもめっちゃオペラでガン見してたけどさ!?やっぱ大スクリーンの迫力すごい……一番最初のキスシーン、アンナもとまどってるけど嬉しいみたいないろんな感情が出てて良い。ちょっととまどい顔っていうのは見えてたんだけど、あんなに豊かにたくさんの表情浮かべてたのか…

 

あと大スクリーンで見るイタリアでのしあわせな2人は至高

というか攫っていくとこからしてもうとても良い。生で見たときは、海ちゃんがエイって乗りにいってたように見えたけど今日は息ピッタリでヴィロンスキーが抱き上げたように見えてコンビネーションんんん!!!!ってなったよね。 

 

1個めちゃめちゃ疑問なんだけどパンフレットにのみ載っている幻のリフト、これは何なんだ???なんで本編でなくしたの?とかじゃなくて、単純にどういうふうに乗ってる/乗せてるの???という疑問がですね…

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肩の上に腰で乗っている、、、?何回見てもどうなってるのか意味わかんなくてもはやトリックアートに見える…




などなど、思うままにのんびりと書いていたら発表されてしまった。

月組 退団者のお知らせ | ニュース | 宝塚歌劇公式ホームページ

劇場で見たときに何となく予感はしたんだけども…本当になったら嫌だなと思って書いたり言ったりしなかったけど、結局は予感が的中してしまった…
トップに向けてのステップアップでしょ!そうじゃなきゃあのキャパシティでわざわざやるのおかしくない!?と思って見に行ったけど、実際に見てみたらこれは卒業に向かっているのかもしれない…という気がしてしまった。集大成感というか、気迫というか。海ちゃんにも同じようなことを感じてしまい、2人とも次で退団だったらどうしよう…ってせっかく見れたのに、何だか悲しい気分で帰ってきたんだった。でも見始めたばかりのわたしの勘など当たらないでしょ~ 思い入れのある作品みたいだし、これからさらに上に行くからだよと自分を納得させようとした。



この2人が真ん中にいる作品、もっともっと見たかったなぁ……