雪組ファントムを見てきた話

雪組のファントムを見てきました~ 新年1回目の観劇。

 

12月にムラでも見てきたんだけど、東京でさらにパワーアップした感が。本当に最初から最後まで耳がしあわせ…トップ2人の歌のすごさについては、初めからわかりきっているというか。あの!だいきほで!ついに!ファントム!!!って期待値がとんでもなく高いところに設定されていたにも関わらず、予想のさらに上を行くからもうとんでもねーなって。

 

望海エリックは、もうほんっっっと歌がうめえ

制作発表の歌を聞いた時点ですでに上手いなあ…って思ってたんだけど、実際の舞台で聞くと、あの時点ではまだまだ未完成だったんだという衝撃。細かいところまで音がカチっとはまってるのに硬い感じは全然しないというか。ん~~~素晴らしい

とくに好きなのがクリスティーヌに森を見せているときの、なんていうか子ども感。はじめて見たときは、人に触れあってこなかったからあの距離感なのかなと思ったんだけども、次見たときにこれは子どもなんだ…!と思って。クリスティーヌが地下に来てくれた!うれしい!自分のこと知ってほしい!見てほしい!って気持ちがビシバシ飛んできてて、唯一?明るいエリックだしなんだか微笑ましい。

そういえば事前にキャスティング見てどんな役なんだ?って謎だった従者たち。「エリックの従者」って名前付いてるくらいだから、エリックとの関係性とかそこのお話がもっとあるのかと思ってたけど全然なかったのは意外だった。というか誰一人として一言も発してない。リアル従者というよりもエリックの影っぽかったな。


真彩クリスティーヌもほんっっっとに歌がうめえ(2回目)
「天使の歌声」って比喩が正解。いや天使とかwそれ褒めすぎwwとかならない。これが天使の歌声…ほんまや…ってなる人存在するの?!いたわ!!!!

エリックに歌を教わる前と後の歌い分けが絶妙。街で歌を売っていた時も十分上手くて、はじめて見たときには「そのままではオペラ座には立てない」ってシャンドン伯爵の台詞に、いや立てるだろって素でツッコミしてしまったけど笑
ビストロの場面見たら、あの時言ってたのはそういうことかーー!って伯爵のこと見直しちゃったよ(失礼)ただ可愛い子に声かけてるだけじゃなくててちゃんと音楽のことわかってたんだね(失礼)
こういう風に変わったって上手く言えないけどさ~~、エリックのレッスンを受ける前は歌うのが好き!だから歌うの!というかんじで、これはこれで全身で楽しんでいる感じがかわいくて好きなんだけど。レッスン後は、何だろう…声や歌い方が洗練されたというか垢抜けたというか、声が違うんだよなぁ……どっちも上手いうえで歌い分けがきちんとされてて、なんかもうほんとすげえな~~~としか言えないよね…


彩風キャリエール
好き←観劇直後に書いたメモここまでで終わってた。雑すぎるけどこれがすべて。キャリエール、好き。

もうさーー、あんなスラっとしたおヒゲの渋いイケオジずるくない!?!?もうその時点で好きが詰まってるわ!!!!!1兆点!!!!!

そしてさらに、咲ちゃんってこんなに歌うまかったの…??という衝撃。どの立場から言ってんじゃいというかんじですが本当にそう思ったんだよね、初回聞いたときに。あまり予想していなかった、というか「歌ウマの人」という認識じゃなかった(わたしの中ではダンスのイメージ)から余計にえ、うまくない…???え、、好きいいいいい!!!!!ってなりましたよ!!!5千兆点!!!!!!!

You Are My Ownの歌い出しの深み。もうそこの「エーリック」って一語だけでガしッッッと心掴まれてオペラロックオンしたよ。あれはずるい。それまでただの(ただのってことはないだろ)渋いイケオジだったのに、突然父性溢れまくりな優しさくて深い声出せるなんて聞いてない!!!ずるい!!!好き!!!!!

ただわたしの中の冷静なわたしは「アンタがベラドーヴァにちゃんと話してれば全部起こらなかったことでは…?」って終始ツッコんでて黙らせるのが大変だった(それを言ってはいけない

 

あと舞咲カルロッタもめちゃめちゃよかった。

ああいうキャラクターが元々大好きというのもあるけど、それ差し引いてもめちゃめちゃよかったよね~~~あれは好きにならざるを得ないでしょ。支配人室でのソロがめちゃめちゃ好き。「このオペラ座を」ってフレーズさ、文字じゃあの歌い方を表現できない…!1曲の中にいろんな歌い方があって聞いてて楽しいんだよな~~あと役替わりになるアラン・ショレへの対応がそれぞれに違くてそこも面白かった。

 

先に見た朝美ショレは、カルロッタはド派手だし、その夫となる人だからなるほど…そうだよね!って妙な納得感のあるド派手ショレ。そして服に負けないお顔。それだけお顔が美しいと何着ても映えるのね~~もじゃもじゃかつ三股に分かれてるおヒゲがあんなかっこいい人いる!?!?!?シャンドン伯爵もいいけど、2人ともショレver.のスチルも出すべき!

逆に彩凪ショレは、カルロッタを引き立てるように一歩引いた感じの、控えめ感のあるショレだなと思った。見比べたからこそ思ったけど、朝美ショレはカルロッタと結婚”した”で、彩凪ショレはカルロッタに結婚”してもらった”。朝美ショレとカルロッタは大恋愛の末に結婚、逆に彩凪ショレは何かいろんな手段を使ってようやくカルロッタが結婚を承諾、その後は完全にカルロッタの尻に敷かれてますてかんじ。でも尻に敷かれてる分、キャリエールとか警部とか他の人には強く出るあたり、すごい小物感が漂っててよかった(めっちゃ褒めてる)
素顔はあんなにキラキラしてて素敵なのに、ゲスい小物役やってもしっくりくるの振れ幅がすごいよね~~おそらく、わたしの初凪さまが武田観柳だったのも影響してそうだけど(笑)いまだにガトリング砲見ると、自動的にあの歌が脳内再生されるもんな(笑)

朝美ショレもカルロッタに弱いんだけど惚れた故のというか。ご機嫌取りのかんじとか見てるとあれ?意外とショレが主導権握っているのでは??ってかんじがしてきてダブルキャスト面白い。

 

シャンドン伯爵
彩凪シャンドンはピュアボーイってかんじで精神年齢が若そう。割と初期の段階でクリスティーヌのこと恋人としてみてるよなってかんじがした。ビストロで歌って、その後2人でお祝いしようってなるところはもう完全に落ちてる。
初見だったからそういう設定なのかなと思ってたんだけど、朝美シャンドンはクリスティーヌのことは恋人ってよりも「支えたい」って気持ちが強めな感じがしたな。クリスティーヌのパーソナリティーというより才能の部分に注目しているというか。
ファントムが息を引き取る場面で、そういえばこの時シャンドン伯爵はどんな表情してるんだろうと気になって(エリックとクリスティーヌはぜったい映像に残るし…!)ここでようやくクリスティーヌ自身への気持ちを自覚したけど、自覚したからこそその時のクリスティーヌを見て全部わかってしまったというか…なんてことを考えながら見た。

 


歌がよかった、耳が幸せだったなと大満足な一方、冷静になるとやっぱりクリスティーヌってよくわからないなという気持ちが残る。

何ていうか、場面、場面を切り取ればそっかーってなるんだけどやっぱり仮面取ってのあれは何だったんだろうな…ってのは見てもまだ引っかかるというか。クリスティーヌがファントムの仮面を外させるけど悲鳴を上げて逃げ去るっていうのは事前にあらすじ読んでたんだけど、ひどくない???としか思えなくて。

まぁ文字であらすじで読んだだけじゃその背景とかもわからんしなーと思って見たけどやっぱりひどくない???怯えて帰っていったのに、いきなり『戻らなくちゃ!』ってなるのも待って!いったん落ち着いて!こっちにも整理させて!!!

良い子だから人を傷つけてしまったことに我慢がならない?外見で判断してしまったことを悔やんでる?それが先生だから?それとも自分が見せてって言ったのに無責任だと思って後悔してる?全部混ざってそうで、全部違いそうだな。先生について知っているのは、彼の音楽と目だけだったけどそこに「美」を見出していた。仮面を取って実際に見た顔は見出した「美」とはかけ離れていて恐怖した。傷つけまいと我慢してる、ってわけでもないし、一度見たから心構えができて怖がらなくなったのか。「美」が恐怖を超越したのか。わしの頭ではわからんなーー普段わたしの使っている「美」と、この作品で使われている「美」が指しているものがかなり別のものを指しているのだろうなぁ、ということはわかった。

とかモヤモヤ考えたけど、考えてるうちにやっぱり耳が幸せだったな~~って流されちゃうんだよなぁ。